東京ベーカリー巡り 3

今回の旅で、一番心を動かされたパン、ヴァーネルさんのサワードゥブレッド

何となく、自分の中でサワードゥとは、こんなパンではないのか、というイメージぴったり、もしくは超えてしまったサワードゥ!

 

しっかりと焼きこまれているのに、内層は瑞々しくて本当に美味しい。

おしゃれだからと無理に食べる、酸味が強くて硬いパンとは全然違う、めちゃくちゃカッコイイのに、素直に美味しいパン、こういうパンを目指してるんだよなぁ~としみじみ思いました。

 

事前に予約していたので、昼過ぎに到着も無事にゲット!

ですが、到着時にはほとんど完売状態でした。

素敵な古民家の複合施設で、カフェは満席

お庭でサワードゥをむしりながら頂き、結果スライスを申し出たら、食べてる感じから同業者臭がしていたようで、オーナーシェフにお話しして頂けました。

 

香川のパン屋で東京のパン屋さんをまわっている事を話すと、おすすめのベーカリーとして、チェスト船越、PARKLET、コンビニエンスストア高橋を紹介して頂きました。

 

チェスト船越さんは、沢山の種類の粉を扱っているけれど、それをブレンドせず、それぞれのパンに合わせて使い分けているのだそう。

 

今回、行こうとしましたが、ルート的な行けなかったので、次回行ってみます!

 

東京ベーカリー巡り 2

お次は、バルティザン・ブレッドファクトリーへ

サワードゥブレットをメインにしたお店で、店内でカットしたサワードゥをドリンクと一緒に楽しむ事も出来ます。

すごくおしゃれな店内。サワードゥは酸味が強くなく食べやすい、日本人好みの味でした。

レジの女の子が研修中みたいで、ホットコーヒーにお砂糖とミルクを頼んだら、ガムシロップとたっぷり過ぎるミルクが… なんだかほっくりしました(^^)

 

パンには、バターとオリーブオイルを添えてくれます。

そして、有名シェフ榎本哲さんのこだわりのベーカリー

パン・デ・フィロゾフさんへ

高加水の専門書に出てたリュスティック

独特の形のポミエ 

お祭りのように賑やかな神楽坂の先、静かな住宅街の中の行列の出来るベーカリー

東京ベーカリー巡り

ブルーバードのパン・お菓子は、書籍やネット情報を元に、試作しながら形にしていきます。

 

ですので、そもそも作ってるけど、そのパンやお菓子、食べたことないんだよね(-_-;)といった事もしばしば(;^_^A

 

今年から始めたサワードゥブレットも、自分作のものしか食べてない…これが正解でいいの?  という事で、調べると東京にはサワードゥをメインにしたベーカリーが色々ある、バターサンド、半熟カヌレ、スコーン、キャロットケーキ、生ドーナツ、ベーグル… やはり情報と流行の発信地、首都東京に行かねばなるまい! と行ってきました、うどん県香川から東京へ

 

夜通しパンを焼いた土曜日の夕方、16時半発のジェットスターで飛行時間は1時間弱ほど、費用は成田空港からの移動もある為、往復で1人2万円くらいかな?19時過ぎくらいに六本木着! 東京タワーを見ながら六本木ヒルズを散策です。

実は、目的は六本木ヒルズ内にある、Bricolage bread & co. ブリコラージュ ブレッド&カンパニー

大阪の有名店「ル・シュクレ・クール』岩永 歩さんのパンと FUGLEN TOKYOのコーヒー、レストランは21時までとネットにあったので、間に合うだろうと思いきや、ギリギリで閉店でした(;^ω^)

ですが、今回の旅は、ブルーバードのスタイル、ロゴやデザインの勉強も含めてでしたので、ヒルズの洗練されたショップや建物は、十分心躍るものでした。

 

翌日、日曜日の朝は、勝どきのベーグル屋さん タヌキ アペタイジングさんへ

7時オープンの為、7時15分くらいに行ったのですが… 予想を超えた行列…(;'∀')

1時間~2時間くらい待ったような💦

白を基調としたシンプルでスタイリッシュなお店。ご夫婦でされているようで、ご主人が気さくに接客されて、にこやかな奥さんがベーグルを出してくれます。

大行列のプレッシャーなど全然感じさせない、フレンドリーで丁寧な接客が素敵でした。7時にあれだけの量を用意されているなら、夜間ずっと作業されていたでしょうに…

断面萌えなベーグル達 買いすぎないようにと思いつつも、店内に入るとついついあれもこれも買ってしまいます。

もちもちとした米粉のベーグルにハムとチーズ。しっとりして噛み締めると甘みがあって、とっても美味しかったです。

個人のベーカリーで働くという事

会社員から個人店に再就職して、始めは当然のように正社員の道を選びました。

ですが、やはりパン屋さんは、一般職に比べて拘束時間が長い…

 

後で気づいたのですが、大手でチェーン展開しているような企業化したベーカリーであれば、労働環境についての企業側のしばりが厳しい為、かなりシステム化して労働者の福利厚生が守られるように出来ています。

 

ですが、個人経営のパン屋さんとなると、真逆の現象が起こります。効率化の為に機械を導入するほどの生産がされない為、ほとんどが人力になりますし、こだわりのパンには、手間がかかる…

手間を省いた簡略化されたパンなら、コンビニでもスーパーでも買える為、その部分に手を抜く事はお店の生命線を脅かします。

 

そして、その手間暇をかけた人件費を回収するには、店舗の規模が小さすぎるのです。ですので、オーナーもそのこだわりと犠牲に、沢山の労働時間を提供しますし、それに引きずられるように、その家族や社員も沢山の労力と時間を犠牲にします。

 

最初のオーナーは、修行時代にこんなに厳しい環境は無い、と思って働いていたけれど、開店した今の方が苦しいし、すでに開店資金により借金を沢山抱えている為、途中で辞める事もできない、といった事をおっしゃっていました。その方は、当時も今も成功されていると思いますので、その当時の感覚だと思いますが…

 

そうなってくると、朝というか夜くらいに出勤して、へとへとになって遅くに退社する。お給料をみると、あれだけ働いたのに…と思ってしまうような金額が目に入る。お金は関係なく修行の為!と思っても、そもそも相手側に教える気が無いのです。

 

これが、意気込んで会社員を辞めてから、個人店で直面した現実でした。

 

こうなると、勉強時間の確保も難しいし開店資金の貯蓄も出来ない。

個人店で、下手に夢を語って月給で働く事は、とても厳しいと痛感しました。

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シフォンケーキが捨てきれない

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ナッツブラウニー登場!

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ブルーバード最古のタルト

会社員から個人事業主へ

独立に関して、問題点は多々ありました。

一番には、こだわりのパンを作りたいのに、その作り方が分からない。

2番目は、何が分からないのかもわからない、でしたね。

 

そこでまず、自分の憧れる完成形に近い、個人のパン屋さんで働きながら考えよう、と数店舗のパン屋さん、お菓子屋さんで働き、平行して開店資金が貯めたかったので、無理やりダブルワークをしたりしていました。

 

長らく会社員生活だった為、個人店で雇われてみると、実際に目の前に居る人が、その店のトップで、その人から自分の給与が支払われる、その店の動向が相手の命運を左右する、というシビアな世界に直面しました。

 

当然、上司と違い、オーナーはある意味、人生をかけて始めた商売の真っ只中にいるので、店を持ちたい私が、自分のレシピを奪って、近隣に出店する事も警戒しますし、私の働き如何で、現実に自分の懐が痛くもなるので、要求される分野や感覚も、会社員とは別物でした。

 

また、ただでさえパン屋は過酷な仕事です。その中で個人経営までする人というのは、過去に壮絶な修行体験があったりして、従業員にも、自分と同じ過酷さを要求する方もおられます。まして、独立したいなんて言えば、他の従業員よりも努力も要求されますし、警戒もされます。

 

ですので、オーナーの気性を見極めた上で、自分の内面を開示するかいなかは、判断が必要です。親身になって教えて下さる懐を、相手に求めるなら、その商圏内から離れて県外で勉強するか、多少のことでは揺るがないほどの人気店に入るほうがいいかもしれません。

 

私もそうですが、何もその店のレシピを取ってやろう、とか全く同じ店を近くに作ってやろう、など思う方は、あまり居ないと思います。なので、相手にそんな警戒のされ方をするとも思わないですよね。

 

現実に個人店経営がどういうものか、肌で感じながら、自分らしいパンの追求はまた別に勉強する、そのどちらもが自分の未来に繋がるのだから、どちらも全力で頑張る、けれど、平行してより効率的な違うアプローチがないかも模索する。その意識が次のステージを運んできてくれるのだと思います。

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妄想が進む(;'∀')

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クロックムッシュの異常な安さ

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何味やねん(笑)

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キッシュに対する憧れがすごかった

店舗を持たないスモール開業のベーカリーについて

私は、元々は製パン会社が運営するテナント型ベーカリーの店長をしていました。

ですので、パン屋でもあるし、会社員だったのだと思います。

 

専門学校を卒業してから長く、上司の指示に従い、パンという製品を作り、売上と利益を会社にもたらし、毎月、前年の売上と照らし合わせて、前年比を上回るにはどうすればいいか、シフトの采配により、人件費を管理し、会社の方向性はどこにあるか、上司の考えは、母体となるスーパーに競合は出来ていないか…

頭の中は、主にそういった事に占められていました。

 

そんな人間には、「個人のパン屋さん」が考えている事、パンが作れたにしても独立する事の具体的なビジョンなんて全くわからないわけです。元々、四六時中パンを作っているのだから、独立してパン屋をするなんて簡単でしょ、と思われるかもしれませんが、実際問題、延長線上ではないのです。

 

まして、次々と新店がオープンするタイプの会社だった為、新店の立ち上げに関わる機会も多々ありました。

その中で、パン屋を開業するには、大型のオーブン、ホイロ、ミキサー、冷蔵庫…高額な機材を一度に購入して、沢山の資金を投じたとしても、成功するかどうかは、ふたを開けてみないとわからない、そういった商売であると感じていました。

沢山の店舗があれば、カバーしあう事も可能ですが、自分でするなら一発勝負、そんな人生をかけた大博打を、する気にはなれなかったですね。

 

ただ、会社だから出来ること、守られている部分も当然ありますが、会社だから出来ない事は当然あります。今のように、天然酵母で状態を見極めながら、なんて個人の主観に頼った方法は、組織的に店舗展開するなんて確実に無理です。

イーストを併用していないので、発酵時間もまちまちですしね。

 

教育指導により、安定してオペレーションを組める商品構成で、自分がプレイヤーにならず、ベースの利益店舗を作れば、指揮官にまわって全体を管理し、模範店を増産する。

そのラインが正しいのは分かっていても、心からそれをしたい、と没頭出来るかどうかとは、話が別だと思います。

 

当時は、作れもしないくせに、漠然と憧れるこんなパンが作りたい、といって会社を辞める事って、子供じみてて甘ったるい考えなのかなぁ、これが現実社会の厳しさかな、くらいに思っていました。

 

ですが、周りの環境や一緒にいる人達がなんていうか、よりも自分は本当はどうしたいのか、を大事にしなければ、誰の為に何の為に生きてるか、という本質的な所を見失ってしまいます。

 

そのジレンマと葛藤を抱えて、常に考えているからこそ、今のスタイルに行き着いたのだと思います。

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5年前 実家のコタツの上で、こんな感じのパン屋さんがしたい!(^^)!、と妄想中

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やっぱり可愛い系…

奥で、レーズン酵母をいじった後と、失敗してるやん!なパンが写ってます。

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そして、ガッツリしたものを作りたがる

 

パン・お菓子に対する想い

自分にしか表現出来ない独特な世界観のパンを作りたい。

お客様の心を揺さぶるような商品を提供したい。

そんな想いで、日々パン・お菓子と向き合っています。

 

元々、私は美術に関連した事を得意としていて、お菓子作りに造形の美しさや

食の楽しみを見出して、岡山の製菓専門学校に入る事からスタートしました。

 

その後、主に小売店にテナント展開する製パン会社にて約15年ほどお世話になります。

 

独立を目指して退職し、数件の個人のパン、お菓子のお店で働いたのち、アンデルセンゆめタウン高松店にて働きながら、ダイキ上福岡店の産直売り場にて、少しずつ商品の提供をスタートします。

 

2020年5月より、ダイキ上福岡店の産直売り場での活動を本格化し、現在に至ります。

 

パンに独自性を持たせる為に、天然酵母に着目し、レーズンと蜂蜜と天然水を3日ほどおいて酵母液を作り、それに国産小麦と少量の塩を添加した種を4時間発酵させ、更に倍量の酵母液と小麦、塩を加えて4時間、この天然酵母種を元として、カンパーニュや食パン、フォカッチャ等をお作りしています。

 

一次発酵に2時間、二次発酵に2~4時間という長い時間をかけて、天然酵母のパンは焼きあがります。

天然のパン酵母という微生物を相手にしている為、気温の上がり下がり、国産小麦の状態、湿度、元々の液種の出来など、生き物の世話をするように大切に様子を見ながらお作りしています。

 

天然酵母のパンは、酸味が強く出たり、硬い食感だったりする場合もありますが、当店の商品は、軽い口当たりで、もっちりとして酸味が無いのが特徴です。

 

天然酵母パンの長い発酵時間の間、デニッシュパンの折り込みをしたり、タルトの生地を敷きこんだりしながら、夜通しかけて作業は行われます。

 

そして夜が明けて、スタッフの皆さんの手で、加工され包装されて、お昼くらいにダイキさんの売り場に運ばれます。

 

私にとっては、とても大事な商品達です。

販売当初は、納品してから勤めの仕事に出て、余った商品を回収して帰宅する事もあったので、今ある程度、受け入れて頂けている事をとても在り難く思っています(_ _)

 

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5年前 今とは、方向性の違うファンシーな食パン達(´∀`*)

可愛い路線だったのか…

今見ると、これはこれで美味しそうだな~

左からチョコマカダミア、ライ麦クランベリー、ミルクティーのミニ食パン

 

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5年前に、家庭用オーブンに限界を感じ、中古のコンベクションオーブンを購入。下段がホイロになっていて、これでオーブンとホイロが揃ったから、完璧だと思っていた。

中古でも45万…思い切って購入も、壁の防火処理と換気扇が必要な事が判明! 追加で工事だけで13万が消えていきました(´;ω;`)

 

そして、このあとコンベクションオーブンの特性に気づかず、アタフタすることになります😢。熱風を循環させて焼成するタイプのオーブンなので、当時の私が作ろうとしていた、アンパンとかフランスパンとかは、カッサカサに焼いてくれます( ´艸`)

 

デニッシュとかパイとかクッキーを焼くなら、抜群のオーブンだということを知らないので、大金はたいて大工事して謎の機械が残った…と当時は静かに途方にくれていました(笑)

 

この時に家庭用の電源だとコンセントの形状が違うし使えないこと、そもそもの電力量を上げないとブレーカーが落ちる事を知り、古い町の電気屋さんに相談に行って、電力量の工事もお願いしました。

 

単相200ボルトの機械だったので動力に切り替えなくてすみましたが、何も考えずに3相の機械を購入していたら、当時ほとんど勤めに出ていて、家でパンを焼いていないにも関わらず、基本料金が高くつく動力に切り替えなくてはいけなかったので、危なかったです( ´Д`)=3 

 

今から考えると、ミニマリストですか?ってくらいシンプル…

台下冷凍冷蔵庫、左は冷凍、右は冷蔵です。

まな板は、パンの分割成型の時に使います。うちの流しのシンクに、ぴったり入るサイズで、サッと洗えて、冷え冷えの冷蔵庫上で生地を冷やすこともありません。生地離れもいいしね。

 

間に何か挟まないと、すんごいカビ生えたり、鉄さびみたいのが出来たりします(-_-;) 太めの木とかホームセンターで、サイズ合わせてカットして貰って挟むとその隙間に麺棒とか餡ベラとかを置けて便利なのです。

 

天秤計りは、ネットで購入したのですが、思ったよりでかくて…

目盛りの単位もでかくて、明らかにパン用の計りじゃない…

しばらく意地になって使った後、そっとメルカリに出しました(´;ω;`)

 

そもそも、家族4人で暮らしていたお家です。

 

父が、木工と畑の趣味の為だけに購入した別の土地に、新しく家族の家を建ててからは、こっちが父の遊び場に化していました。家じゅうに、父作の掛け時計が沢山あって、電気工事士の資格の勉強をしていたので、配線をいじったり、壁紙をいじったり…

 

一人暮らしをしながら仕事に明け暮れていた私が、ここに住みたいといい、どんどん機械を持ち込んできても、壁に穴を開けて工事をしていても、興味深々で覗きに来ていた父

 

更に、山の上に別の土地を購入して、木工小屋と畑を作って遊んでいた父(;^_^A

 

遊び心のある楽しい父だったなぁ、と今でも思い返してばかりです。

 

ちなみに、当時の照明はシャンデリアでした(;'∀')